イベントレポート

「やりたいこと」「向いてること」どっちを選ぶ?──ローカルジョブコレクション・オンライン相談会(後編)

『超絶「頼れる」合説』を掲げ、2020年春に立ち上がったローカルジョブコレクション。就活を自分だけでやろうとせずに、人や縁、直感に「頼って」最初の一歩を踏み出す、きっかけの場を目指しています。(主催:長浜商工会議所/運営:いろあわせ)

前回の記事では、3月8日(日)に開催されたオンライン相談会から、就活をする上で大事にしてほしい考え方をお伝えしました。

就活の第一歩は「ぜんぜんキレイじゃなくていい」──ローカルジョブコレクション・オンライン相談会(前編)

後編では、視聴者から当日寄せられた質問から、パネリストの回答をピックアップしてお届けします。いろあわせの2人に加え、途中からは株式会社Amuletで人事コンサルタントをしている深田悟司さんにも参加していただきました。

Q. 待遇を見て「ブラック企業じゃないか」と悩む

馬場:視聴者からの質問がかなり来ています。北川さん、順番に回答お願いしますね。まずはこちらどうですか?

行きたい企業はあるのですが、熱意に共感する一方で、福利厚生や休日数などに疑問を感じる企業が多々あります、姉がブラック企業で病んだ過去があるので、どうしても待遇を冷たい目で見てしまいます。熱意と待遇、どちらを重視すべきでしょうか?

北川:なるほど。そもそも、「ブラックとはどういうことか」を考えてみましょうか。

普通に考えたら、誰だって休みは多い方がいいし、福利厚生もある方がいいですよね。現実的な話をすれば、そこって大きい会社の方が充実してる。でも、じゃあ「大企業は全てホワイトで、中小企業は漏れなくブラックか」というと、全くそんなことはありません。

要は、社員が求めているものをちゃんと会社は提供できているか、逆に会社が求めているものを社員はちゃんと提供できてるか。そこのコミュニケーションに「ズレ」がある場合に、問題が起こるのかなと思います。

(左)北川雄士。株式会社いろあわせ代表取締役。『しがと、しごと。』代表/(右)馬場奏。いろあわせ入社1年目。オンライン相談会・ファシリテーター

 
北川:今回の「どちらを重視するべきか?」の質問に対しては、「どうバランスを取るか」を考えましょう、というのが僕の結論ですね。

つまり、自分は“どこを”ブラックだと感じるのか。もし「やりたいこと」が自分の中に明確にあって、やらせてもらえそうな環境と裁量が得られるんだったら、働く時間が多少長くなっても、本人は楽しいと思う。

けど、「やらされ感」がすごくあって不安になる、その上で休日数とか福利厚生を見たときに「なんかしんどそうだな……」と引っかかるのであれば、無理をして入る必要はない気がします。世の中には、そこで求めるぐらいの休みを提供してくれる会社も、山ほどありますので。

その企業に共感しているなら、「ぶっちゃけ、僕はちょっとブラックだと感じてます」って疑問を、正直にぶつけてみたらいいと思います。そこでごまかさず、企業としてどう考えてるかを真摯に回答してくれるのであれば、結構いい会社なんじゃないでしょうか。

Q. 「自由」にやらせてほしいけれど…

縛られるのが嫌いなので、会社選びの軸として「自由にやらせてもらえるところ」がいいなと思っています。これは自己中心的な考え方でしょうか?

北川:別に自己中だと考える必要はないと思いますね。ただ、自分が描く「自由」の範囲は、ちゃんと言葉にしておいた方がいいかも。

自由にやりたいと口にしていても、本当にすべてを自由に任せられたら「それは無茶振りで困ります!」と言うかもしれません。何の制約条件もなしに人は動けないので、その中で自分はどんなタイプで、どこまでの裁量をOKと考えるのか、理解しておくことが大事かなと思います。

ゲストで来てくださった深田さんにも聞いてみますね。深田さん、こちらどうですか?

深田悟司さん。人材会社、メーカー、外食、IT企業を経て人材コンサルタントとして株式会社Amuletを共同創業。いろあわせ代表取締役・北川雄士の前職時代の部下という縁から、途中から相談会に参加してもらいました

 
深田:そうですね。北川さんの指摘に加えて、面接のときに、実際の仕事の振られ方を確認するのもいいと思います。聞いてみて「無茶ぶりでしょ」って感じるのか、「そこまで裁量があるんですね」となるのか。

最終的には、「こんなとき自分は縮こまってしまうけど、こういうやり方をしてもらえたら、企業に対して最大のパフォーマンスを発揮できます」みたいに言えると、人事としても「そうなんや」と思えますね。あとは、その会社に合うか合わないかだけです。

北川:そう、合わなかったら落ちるだけなんです。それは別に悪いことじゃない。

むしろ変に自分を隠してしまうと、「なんかこの子もっと魅力ありそうだけど、くすぶってる気がする。それが何なのか見つけられんな……」と終わってしまいます。こっちの方が、ずっと機会損失かなと思いますね。

Q. エピソードは“盛る”方がいい?

先輩たちに聞くと「就活は“盛る”のが当たり前」と言ってたんですが、人事は「この人盛ってるな」って感じるものですか?今の自分の状態に自信がないので、結果的にある程度盛ることになりそうです。

北川:僕は、話すうちにわかると思います。「企画って、ちなみにどんな提案したん?」「何でそこにアンテナ張ることになったん?」とか、細かく話を詰めていくと、盛ってる子は出なくなるんですよ。

ただ、僕は「盛ったからダメ」なんじゃなくて、それがバレたときにどう反応するかも結構見てます。「ぶっちゃけさ……盛った?(笑)」みたいなときに、「実は」って言える子は、前半の話で言う『素直さ』があると思うんですね。それを認めて「すいません」って言える子は好印象。

まあ「盛るのが当たり前」と言う先輩たちが内定を取ってるのであれば、人事側の見極めが弱い部分も多少あるのかなと思います。でも僕は、騙し合いみたいな中で働いていくのは良くないって考えてるかな。

深田:「内定をもらう」というところだけで見ると、盛ること自体が悪いとは思わない。でも、「盛った自分を見せ続ける」ことが、本当に精神衛生上いいのかどうかって話かなと思います。

盛った話が勝手にどんどん大きくなっちゃうこともあって、それで入社が決まったら苦痛でしかないですよね。僕はそれは嫌だし、長く一緒にいる人とは正直に話し合える関係がいいなと思います。

Q. 「募集条件」を満たさないけど、働ける?

短大生です。合同説明会で気になった会社があったのですが、募集枠のところに「四年大学卒・大学院卒」だけしか書いておらず、短大生枠がありませんでした。エントリーするのは諦めたほうがいいのでしょうか?

北川:これは行くべきですよね。

深田:絶対に行くべきです。実際に、僕が前職のIT企業(北川も在籍していた会社)に入社したときのエピソードをお話しますね。

僕はその前から北川さんと知り合いで、実は北川さんに直接声を掛けていただいて、面接してもらうことに決めたんです。でも、いざ募集要項を見たら「四大卒」ってあってですね、僕は通信制の大学を途中で辞めてたので、「あれ、オレそもそも応募資格ないやん……」って気づきました。

で、本人に「先に言っといてよ」って話をしたんです。そしたら何て返ってきたか。「え?そんなん書いてるけど乗り越えたらええやん」って(笑)、一言で終わった。

北川:(笑)。

 
深田:何だそれって話ですけど(笑)、要は企業も当然、募集には枠を設けてるわけです。僕が採用のお手伝いをやらせていただいている色々な会社さんもそう。けれど、それを乗り越えてくる人ってやっぱり興味あるんですよね。

おもしろいなと思うし、そういう人だったら一回会ってみたくなる。なので、挑戦するのは自由だし、行ってみればいいと思います。

仮にそれで「会わない」という選択をされるんだったら、それまでの会社だと割り切ってしまえばいいので。

北川:完全に同意見ですね。別にそれでみなさんの命が取られることもないし。

あ、今ゲストでこれを見てくれてる会社さん(ローカルジョブコレクション出展企業)も、「受け入れてる」って言ってますよ。ぜひ行ってください。

Q. やりたいことをやるか?向いてることをやるか?

「人生1回きりなので、やりたいこと、楽しいこと、好きなこと、興味あることをする方が頑張れる」説と、「向いてること、求められること、自然にできることを仕事にする方が良いのでは」説、2つをよく目にします。どちらだと思われますか?

深田:前者のように、自分自身のやりたいことがあるんだったらそこから始めればいいし、ないなら、まずはできることを増やすために後者の道を選べばいいと思います。

前半の北川さんの話にもあったように、一番最初の就職活動でやりたいことを見つけて仕事にできる人っていうのは、正直圧倒的に少ない

でも、「なんとなく行ってみました」「行って働いてみたら、できることが増えました」「できることが増えて、褒められるようになりました」「次はこういうこともできるんじゃないかと思い始めました」「結果、できることがやりたいことに変わってきました」――そんなことは全然あるんです。

なので、2つの考えを繰り返し持てればいいと思うんですね。やりたいと思っててもしんどくなったら休めばいいだけ。「どっちか」って分けて考えちゃうと、すごくやりづらくなるなという気がします。

 
北川:前者って、世の中を見たときに1〜2割じゃないかなと感じてます。「やってるうちにその仕事が好きになっていった、やりたいことが生まれていった」を含めると半々かなってところですね。だから僕は、一旦は後者でスタートすればいいかなというスタンス。

もちろん、「夢を語るべきや」と熱く言って、若い人が夢を語り合える場をつくった友達もいます。それはそれで、すごく頼もしいことだなとも思ってて。

そういう仲間がいてくれるからこそ、僕は「ゆるくてもいいんじゃない」って言えるんですね。なので、夢を語っていくことも、夢を語るのがしんどくなってしまったときは目の前を一旦見ることも、どちらも大事なのかなと思います。

目の前の行動が「偶然の出会い」を生んでいく

馬場:そろそろ3時間ですね。あっという間でしたが、最後、これを見てくれた方へのメッセージをお願いできますか?

深田:よく就活生に言うんですが、僕らの世代よりも今の若い子たちの方が、圧倒的に優秀だと思ってるんですよ。もう感度も圧倒的に高いし、持ってる情報量も全然違う。

でも、現実のことをみんなよく知ってるからこそ、もうちょっと理想も語ってもいいのかなとは感じます。

もし自分のやりたいことが見つかってなくても、理想を語れない大人にはならないでほしいと、僕は思うんですね。まずはできることでいいし、できることもあんまりないんだったら、今から努力すればいい。別に今で将来が決まるわけじゃないので、まずは一歩一歩、目の前の行動を変えていってもらえたらと思います。

北川:とりあえず動いてみることが本当に大事。実際、偶然の出会いがきっかけで、全く関心なかった業界に興味を持つことだって全然あります。

僕はね、このローカルジョブコレクションの合同説明会で、ダーツやろうと思ってたんですよ。「行きたい業界が分からない」っていう学生ほど最初の一歩をキレイに出そうとし過ぎちゃうので、とりあえずダーツの刺さったブースに行ってきてねって。

実際に話すと「おもしろい会社だな」と感じてもらえる企業が、世の中にはたくさんある。そことの出会いの機会をどれだけつくれるかに、チャレンジしていきたいなと思ってます。

 
(執筆/佐々木将史)

 

<大事なお知らせ>

新型コロナウイルス感染症の影響から、当初3月8日(日)に開催予定だったローカルジョブコレクションは、5月23日(土)に延期されることになりました。

前代未聞の事態が続いていますが、プロジェクト運営を担ういろあわせとしては、就活に向き合う学生や企業のみなさんに少しでも出会いの機会をつくろうと、本気で考えています。

5月23日(土)は、どういう形になっても実施される予定です。直接出会える場としての開催を目指していますが、状況次第では「オンラインで各出展企業を紹介する」ことも想定されています。

情報は随時メールで連絡しますので、ぜひ引き続き、こちらの「事前エントリーフォーム」よりご応募ください。

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