おいしいをつくる

”老舗和菓子屋”のイメージを一新!湖北地方から、和菓子界の未来を切り開く

滋賀県北部、湖北地方の定番手土産といえば「ろくべえさんの草餅」。
そんな声が、ここ数年は特に長浜市以外でも聞かれるようになりました。

「菓匠禄兵衛」は、大正15(1926)年に滋賀県長浜市木之本町で創業した老舗和菓子店。しかし、その取り組みは斬新そのもの。白いガラス張りの店舗に、目にもオシャレな新しいお菓子。いったいどんな会社なんでしょう?

長浜バイパス店で、お話を伺ってきました。

独学で覚えた和菓子作りは、苦難の連続からスタート

人懐っこい笑顔で迎えてくださったのは、4代目でもある代表取締役の居川信彦さん。
「創業時から作り続けている草餅でっち羊羹は、今でもお店の人気商品ですよ」と説明くださいます。

91年前に「居川製菓舗」として創業したのが菓匠禄兵衛の前身。
その老舗和菓子店を、信彦さんが継ぐ日はある日突然訪れました。

「僕が大学を出て地元に帰ってくるまでは、家業は父と母でやっていました。帰ってきて2年目のお盆の日、父とお盆のお干菓子を作っていた時に、父が置いたお菓子がホロっと崩れたんです。それに僕が文句を行ったら『じゃあ自分は手を引く、お前がやれ』と」

そこからは毎日が苦難の連続。和菓子のレシピも経営のことも何も知らないままお店を継いだため、「美味しくなくなった」とお店の評判もどんどん悪くなります。売り上げも激減。しかし、地道にやるしかない。そこで、今年は羊羹、今年は草餅・・・と、時間を掛けてじっくり研究する日々。そうこうしている間に、地元を中心に次第に人気が盛り返していきます。

しかし、盛り返すだけでなく、そこから新しいチャレンジへ繋げるのが居川さんらしさ。

「これからという頃、たまたま紹介してもらった人に案内されて、幕張メッセでのイベントに出ることになったんです。そこに何を出すか悩んでたんですが、どうせなら出来たての草餅を食べてもらいたいなと思いまして。草餅の出来たてって、ホントに美味しいので。それで、移動式の餅つき機械とボイラーと冷蔵庫とトラックと・・・全部で500万円くらい使って購入したんです」

500万円?!ひとつのイベントに掛ける金額としては、かなり覚悟のいる金額です。

「当時の従業員は、家族を含めて5人くらい。彼らに新幹線で先乗りしてもらって、自分はトラックで幕張メッセに乗り付けました。そしたら・・・とっても評判が良かった。長い行列ができて、百貨店のバイヤーさんからも注目してもらえるようになって」

以降、菓匠禄兵衛は、高島屋や伊勢丹など、様々な百貨店での催事に出店するようになり、東京での認知度も高まっていきます。

様々なラインナップ。「くう」「本之木餅」そして「草餅」

東京での人気とともに、長浜での人気も高まってきた菓匠禄兵衛。2006年には、木之本の本店をリニューアルオープンします。その際、店舗を手掛けたのがインテリアデザインで全国的に有名なデザイン事務所「トネリコ」さん。

「雑誌で見かけて鮮烈な印象を持ったんです。これや、この人しか自分の想いをカタチにしてくれない!と思ってすぐ電話しました」と笑う居川さん。トネリコとの関係は、店舗設計だけに終わらず、その後の商品開発にも繋がっていきます。

「トネリコさんって、基本的に、最中(もなか)が嫌いらしいんですよ。なぜかと聞くと『最中って一口目と二口目で、餡と皮の比率が変わるのが嫌だ』って言うんです。じゃあ、どこを食べても同じ餡と皮の比率の最中をつくろう、というところから商品開発が始まって、ドーナツ型の最中を作りました」

そうして完成した商品が『くう』。パッケージがかわいいだけでなく、発想がとてもデザイナー的ですね。和菓子にそういう視点を入れるところが、菓匠禄兵衛らしさなのかもしれません。

くう

新しい商品が次々と誕生する菓匠禄兵衛で、今、一番売れてるのは『本之木餅(もとのきもち)』だそうです。

「この商品にもエピソードがあるんです。昔から木之本にはイベントなどの際に作る『ほんのきもち』っていう餅があったんです。木之本の漢字を反対から読んでるんですね。これは面白いなぁ、と思ったんで菓匠禄兵衛では読み方を変えて『もとのきもち』として作っています」と居川さん。

もっちり、しっとり、ほんとに美味しいお菓子。
“ほんの気持ちです”という言葉とともに、手土産に贈りたくなりますね。

本之木餅

そして、菓匠禄兵衛の定番といえば、やはり「名代草餅」。先日の東京エフエム「全国草餅ランキング」で、なんと全国1位になったとか。

名代草餅

「こうやって1位になれるのは素直に嬉しいです。商品ラインナップはいろいろ変わりましたが、草餅へのこだわりは変わりませんね」そう話される居川さんの顔には、自信が垣間見えました。

スピード感ある、最先端を行く和菓子屋を目指して

和菓子を通じて様々なチャレンジを続ける菓匠禄兵衛。今回募集するのは、様々なアイデアが形になる現場で働く製造スタッフです。

「経験は問いません。お菓子作りは筋がよければ半年でできるようになります。むしろ変な型がついていない方がいいから、未経験の方も歓迎したいです。将来的には僕の右腕になって、マネージメントを手伝ってくれると嬉しいです」

菓匠禄兵衛の特徴は、他の和菓子屋さんに比べてスタッフの年齢が若いこと。みんな居川さんより若く、風通しも良い。新商品や新たな企画については、社内コンペでスタッフからの意見を募るとのこともあるんだとか。製造スタッフだけでなく誰にでもアイデアが出せるのが、菓匠禄兵衛のスタイルです。

「禄兵衛というステージでスタッフ1人1人が輝くことが理想です」だから何よりも人を大切にしたい、と居川さんは話します。どうしたらそのスタッフの才能を発揮できるかをいつも考え、経営者として一歩ひき、“スタッフに任せる”というスタンスを守っているそうです。

それは父である先代の背中を見てきたから。「あの時、ドン、と全部任せて手を引いたというのはすごい決断だったと思うし、尊敬しています。だから僕も“人に任せる”ということを積極的にやっていきたい。任せた相手が、自分には無いアイデアでいかに問題を解決してくれるかに、とても興味があります」

映像・人事担当の中川博仁(ひろひと)さんにもお話を伺いました。中川さんはこれまで、アパレルや映像制作の仕事をしてきたという異色な経歴の持ち主。そんな中川さんが人事を担当するようになった経緯も、やはり居川さんのアイデアから。

「僕はまだ入社4ヶ月ですが、人事として強いチームを作るというのが目標です。そのために、スタッフ同士がコミュニケーションを密に取れる仕組みを作って、一人ひとりが積極的に発言したり動いたりできるようにバックアップしていきたい。いろいろな面で新しい会社にしていきたいです」

そんな中川さんが一緒に働きたいのは「自分から率先して動くタイプの人。この会社にいると、ただひとつの仕事をひたすらやるのではなく、いろんな分野で活躍できる可能性があるので。その環境を楽しめて、あとは地元愛がある人がいいと思います」とのこと。一方で、「仕事には忍耐力が必要。入ってすぐに思い通りの仕事ができないのは誰だってそうなので、耐える時は耐えて、その後にやりたいフィールドで仕事をする!という意気込みが必要です」とも。

会社の特徴的な強みについて伺うと「地元にしっかりとした基盤があるのと同時に東京にお店を持っているというのは、世界に向けての窓口があるということ」と居川さんは自信をのぞかせます。東京駅構内のエキナカ施設「エキュート東京」店舗を持つのは菓匠禄兵衛ならでは。

また、「社内にデザイナーや映像制作できるスタッフもいるのも特徴ですね。他のどこにもない和菓子屋の形態を取って、スピード感を持って行こうと思っています。常に変化し続ける会社で、そのスピードはとても早い。だからこそ変化を楽しめる人に来てもらいたいですね」

ご恩を返すつもりで、この土地に人を呼べる会社に

会社としての次の目標は「地域ブランド」と「安心・安全」だと、居川さんは語ります。

「菓匠禄兵衛を滋賀県湖北の地域ブランドにするために、この地域でもっと店舗を増やしていきたいですね。そして、会社の土台を固める意味で“安心・安全”を堂々とうたった、自慢できるような工場を作りたい」

「“この土地でやること”を大切にすればする程、商圏は狭くなります。そこで売り上げを上げるには自分達がまちづくりをして、もっとたくさんの人にこの場所に来てもらうしかない。会社としては既存の枠を越えた何かをやって、全国どこに売っていてもおかしくないブランドに成長しないといけないと思っています。
でも、会社というのは、工場を建てた直後が一番潰れやすいんです。会社を良くしようとこだわった工場を作るほど、過剰投資になって。私たちはそうはならないように、十分な体力を溜めたい。」

未来をしっかり見据え、力強く走り続ける理由は地域への“ご恩返し”の気持ちから。
「創業から91年間この土地で商売をさせてもらえたのは、地域の人が買ってくれたから。ご恩を返すつもりで、この場所にいかにお客さんを呼ぶかを考えています。」

決め打ちの鋭さと、つまずいても、次の一歩を踏み出すスピード。
インタビューを終えて頭に浮かんだのは、「和菓子」の看板をギュッと背中に縛り付けて、この広い世界を縦横無尽に飛び回る「菓匠禄兵衛」の姿でした。
入り口は湖北と和菓子。”やりたいこと”への強い想いがあれば、活躍の舞台はここに用意されています!

(文・林由佳里)

株式会社菓匠禄兵衛の求人詳細

企業名
株式会社菓匠禄兵衛
募集職種
営業業務=新規顧客の営業、ルート営業でのお得意様のケア
和菓子製造業務=生菓子等やカステラ等の焼き菓子製造、新商品の試作、開発
和菓子出荷・配送業務=和菓子の梱包、出荷準備・取引先への配送業務・発注作業
雇用形態
【営業職】=正社員のみ
【和菓子製造】【出荷・配送】=正社員・パート・アルバイト
応募資格
未経験者可、経験者優遇
求める人物像
和菓子が好きな方。仕事を通じて自分自身も成長しようという意欲があり、何事も前向きに取り組める方。仕事を通じて、お客様に喜びを届けることを幸せと感じられる方。
勤務地
滋賀県長浜市木之本町木之本1941-2 【→地図】
勤務時間
シフト制(実働8時間で1h休憩)
工場、 配送・出荷 8:00-17:00、営業 9:00-18:00
給与
基本 160,000 円~+能力等(経験考慮のうえ、応相談)
待遇
交通費支給 10,000円まで
社会保険、雇用保険、厚生年金、労災補償、育児休暇・出産休暇あり
WEBサイト
https://www.rokube.co.jp/
メッセージ
和菓子を通じてお客様に笑顔と喜びを届けるべく、日々和菓子の製造販売をしています。まだまだ成長途中の企業のため、一緒に滋賀の和菓子禄兵衛を広げていきましょう!
選考プロセス
1 )本サイト下部のエントリーボタンからエントリー
2 )履歴書・職務経歴書を指定メールアドレスまで送信してください。
3 )書類審査後、採用不採用に関わらず2週間以内にご連絡いたします。
4 )メールにて面談日時を相談の上、決定。
5 )一次面談を実施
6 )面談の結果を全ての方にお知らせ
7 )職場体験トライアル開始(1週間程度。部署や場合により異なります)
8 )採用決定

株式会社菓匠禄兵衛への応募

応募する前にもう少し詳しく知りたい、または相談したいという方

「記事がちょっと気になるので相談したい」「良さそうだと思うけど、自分に向いているかよくわからない」「そもそも、これからの働き方について悩みがある…」そう感じたらご相談のページへ。

今すぐにでもこの企業で働いてみたい!という方

「自分に合ってるかも!」「ここで仕事してみたい!」そう思ったら求人応募ページへ。

しがと、しごと。LINE@友達募集中

関連記事

  1. 遠塚社長

    グローバルに活躍する

    農業の仕掛人!枠にとらわれないアイデアで、未来を楽しく。

    滋賀県内でも少しずつ増えてきている若手農家。『脱サラ農業』や『農業…

  2. 日本ソフト開発外観

    地域で生きる

    米原駅前から、ITで世界と渡り合うエンジニア

    「新幹線を使えば東京まで2時間ちょっと。名古屋、大阪なんて約30分。こ…

  3. ローズファームケイジのオリジナル品種である“和ばら”

    おいしいをつくる

    世界中どこにもない、“和ばら”から“幸せ”を創造する仕事

    あたりの雰囲気を一瞬で変えてしまうほどの存在感。ほのかにやさしい香…

  4. トラック背面

    モノをつくる

    日本初の冷凍車両を作った業界のパイオニア。未来へ走り続ける

    ずらりと並ぶ「はたらく車」に思わずワクワク!幼い頃にそんな経験があ…

  5. 内保製材株式会社がつくる感響の家

    人とかかわる・つながる

    “湖北らしさ”を伝える家づくり、地域と歩むコーディネーター

    人のつながりを大切にする内保製材の家づくり入った瞬間に感じる木…

  6. 笑顔の社員のみなさん

    グローバルに活躍する

    米原で見つけた売上100億円の超優良企業!その実態に迫ってみました

    このユニークなポーズ、なんだと思いますか?利高工業の社長が直々に考案し…

求人記事

  1. 日野精機メイン写真
  2. 外観
  3. メイン
  4. 工場内の様子
  5. トラック背面

おすすめ記事

  1. しが移住相談会byしがと、しごと。株式会社いろあわせ
  2. Uターン物語
  3. TIPS

相談

応募

LINE@

法人

『しがと、しごと。』の新着情報は、SNSでも配信しています。

  1. 遠塚社長

    グローバルに活躍する

    農業の仕掛人!枠にとらわれないアイデアで、未来を楽しく。
  2. 日本ソフト開発外観

    地域で生きる

    米原駅前から、ITで世界と渡り合うエンジニア
  3. 外観

    地域で生きる

    清掃×ITで、アナログだった業界にイノベーションを!滋賀から全国へチャレンジ
  4. 一圓テクノス集合写真

    求人情報

    見えないところでの”当たり前の快適”を提供!建物に命を吹き込む仕事を一緒にしませ…
  5. 冨田酒造15代目蔵元の冨田泰伸(とみたやすのぶ)さん

    おいしいをつくる

    伝統ある「七本鎗」の酒造りを継承し、この土地で暮らし「生きていく」
PAGE TOP