見えないけれど奥深い“板バネ”の世界!ニッチな分野で社会を支える/宮川バネ工業株式会社

数々のバネ

東近江市園町にある「宮川バネ工業」は、パナソニックや日本発条など大手メーカーとも取引する、日本有数の板バネトップメーカーです。
「バネ」と聞いて、円筒状のスプリングを思い浮かべながら会社へ伺った取材陣。けれどそこで目にしたのは、想像とは全く違う板状のもの。見たこともないような、「これがバネ?」と思わず疑ってしまうような形状のものばかりです。
覗いてみると、そこは緻密な計算のもと、金属板の復元力に機能を持たせた”板バネ”の奥深い世界が広がっていました。

もくじ

これがバネ?ただの金属板に多様な特性をもたせるエキスパート!

田園風景
こんな長閑な道を車で走っていると、取材に向かっていることをついつい忘れてしまいそうになります。
そんなのんびりした場所に、日本有数のトップメーカー本当にあるの?!半信半疑で宮川バネ工業さんにお邪魔した取材陣ですが、社長の溢れ出る情熱と、バネづくりへの揺るぎない信念を感じ、そんな心配もすぐに吹き飛んでしまいました。

板バネ
「これは自動車のブレーキパッドに使われているんですよ」と説明してくださったのは、社長の宮川草平さん。
説明を聞いても、どこにどう使われているのかピンきません。「これがバネ?」と何度も聞いてしまいましたが、実は自動車や家電、ビニールハウス、電池など、私たちの生活を支えるさまざまな道具にはバネの力が応用されているそうです。

宮川社長2
「表にでるものではないので見過ごされがちですが、板バネがないとものづくりは成立しないといっても過言でない」と宮川社長。まさに縁の下の力持ち的な存在ということでしょうか。
一枚の金属板を加工してただその形を作ればいいというわけではなく、金属板にバネとしての機能を持たせないといけないそうです。
「そこがバネ作りの難しさであり、面白さですね」と誇らしげに、楽しそうに話している姿が印象的です。

豊富なバネの種類
扱う金属は鉄・銅・ステンレス・炭素鋼などさまざまで、素材によって扱いも変わってきます。
「炭素鋼は何もしないとやわらかい材質なのですが、800~1200℃の熱を加えると組織が変化しとても硬くなるんです」。
素材が持つ特性を見極め、それを人間が必要とする力に変えて最大限に引き出す。板バネのすごさはこんなところにありそうです。

板バネ2
主に受注生産なので、お客様の要望に合わせて金型も自社で作ります。
「絵にあるものを形にしていくために、仮説をたて、金型をつくり、工程化する。これは一朝一夕でできることではありません。なにより経験と勘がものをいう仕事です」。
だからこそ、宮川バネ工業では積極的に新卒採用を実施し、若手の人材育成にも力を注いでいるそうです。

 

バネが好きだから!業界が抱える問題解決のためにも安定した労働環境を提供

宮川社長
宮川社長は、祖父の代から続く宮川バネ工業を3年前に父親から引き継ぎました。
けれど、継ぐと決めるまでにはさまざまな葛藤があったそうです。

リーマンショック以降の景気悪化で、中小のものづくり企業には厳しい時代。そんな情勢の中で、従業員の人生を背負うのは荷が重すぎると感じていたそうです。
「会社は売却しよう…そう思っていました。うまい具合に、工場と従業員をまるごと引き受けてくれる会社も見つかって。最終的な話を詰めに行ったときに、ついでに工場見学をさせてもらったんですよ」と当時のことを思い出しながら話してくれました。

そこで機械や工程など気になることをいろいろ質問していると、先方の社長さんに「宮川さんは本当にバネが好きなんだね」と言われました。そのときは「そんなことないですよ」と笑っていましたが、帰り道にその言葉が心に深く刺さっていたことに気が付きます。
「やっぱり好きなものは手放したくない!と、父から会社を譲り受けたんです」。少し照れ臭そうに話す宮川社長。しかし、その決意は固いものでした。

楽しそうに話す宮川社長
社長就任後、会社の方向性を明確にし、社員の足並みが揃うよう1年、3年、10年の短期から長期的な経営ビジョンをたてました。
2030年には日本の労働人口は約12%減少すると言われています。そうなれば大手メーカーは労働力不足を自動化や省人化で補おうとし、自動化できない仕事は下請け中小企業にどんどん流れてくるでしょう。
その一方で現在の中小企業は若手の採用ができなくなっている。仕事はあるのに人出不足になれば、長時間労働によって現場は疲弊し、社員の採用と定着はさらに困難になる悪循環に陥ってしまいます。

「そうならないためには、今いる社員が長く安心して働ける労働環境を提供することがなにより大切だと考えています」。
年に1回は宮川社長が社員と直接話をする機会も作り、仕事面だけでなく家庭のことなど、それぞれの社員が抱える問題にも向き合っているそう。
「安全面以外のところは、いい意味ゆるく、みんなに気持ちよく働いてほしい」とにっこり笑う宮川社長。

 

社員同士の旅行には補助金が!社員思いの会社だから実現できる、人それぞれの働き方

気持ちよく働ける職場って、どんな感じ?
職場見学をしながら、実際に働いている人の声を聞いてみました。

幾嶋さん
営業課の幾嶋さん。大阪府出身で入社6年目です。
幾嶋さんが就職活動をしていた時期は、リーマンショック直後で新卒採用も厳しく、将来への不安を大きく抱いていたそうです。
「そんなときに前社長は就職説明会で『社員の人生に責任を持ちます』と力強くおっしゃっていて。その言葉に働くならここだと決めました」。
大阪出身の幾嶋さんですが、現在は自然に囲まれた滋賀での生活を満喫しているそうです。
「滋賀に住むようになって初めて積雪を経験しました(笑)。最初は驚いたけど、いまは会社の仲間とスノーボードによく行きますよ」。

社員同士の旅行には、なんと会社の親睦費から補助金も出るそうです!
「残業もほとんどないし、有給もしっかりととらせてもらえます。最近は新車を購入し、ゴルフも初めました!」。
なんとも楽しそうではありませんか!

平岩さん
入社2年目、製造1課で働く平岩さん。大学進学で地元を離れてみて、やっぱり地元で働きたいと宮川バネ工業に入社しました。いまはバネを作るための金型づくりの勉強中。
工場勤務ということで流れ作業を想像していたそうですが、実際に入社してみると客先からの注文によって作るものが変わり、そのたびに金型を設計して、加工して…と想像と全く違っていたそうです。

「うまくいかないこともありますが、先輩は失敗してわかることもあるから、自分で考えてやってみろと言います。思い通りのものができたときはすごく嬉しいです」と話してくれました。
この仕事にどんな人が向いていると思うか聞いてみると、
「最初はうまくいかないことも多いので、根気強く取り組める人がいいと思います。僕は小学校から続けてきた野球の精神が今の仕事にも役立っていると感じています」とのこと。

森さん
育休から復帰したばかりの森さんは短大卒業後、家から近いからという理由で入社しました。それから19年。結婚、妊娠、出産と生活スタイルが変わろうとも仕事は続けてきました。
「2ヶ月前に育児休暇から復帰しました。結婚してからは通勤に1時間かかることもあり、いまは時短勤務で働かせてもらっています」とのこと。
育休から復帰後の働き方を選べる環境というのは女性にはとても心強いですよね!
「子どもが熱をだし保育園から呼び出されたり、一緒に働く人には迷惑をかけていますが、先輩ママさんも多く、みなさんに子育ての悩みを相談しながら支えてもらっています」と周りのサポートもばっちりなようです。

村田さん
組立課で作業する村田さんは、勤続20年。3人目の子どもを出産後、正社員として安定して働ける職場を求めて宮川バネ工業に入社しました。
「有給もとりやすく、子どもの授業参観などにもいけました。最近、女性が活躍できる社会実現が取りざたされていますが、それよりももっと早い段階から宮川バネにはその体制が整っていましたよ」と思わず自社の自慢が飛び出します。
いまは子育てはひと段落し、新しく責任ある仕事も任され「ものづくり現場の面白さを肌で感じているところです」と新しいステージで奮闘中!

どんな方と一緒に働きたいですか?
「大きな会社と違い、若い人の意見がトップまで届きやすいので、新しい目線でどんどん意見してほしいです。やる気があればいろいろな仕事も任せてもらえますよ」とのこと。

皆さんの入社を決めた理由も働き方もそれぞれですが、満足して働いておられることが伝わってきました。

 

社員第一!気持ちよく働くことがクオリティにもつながる

集合写真
宮川バネ工業の社員の有給消化は平均18日だそう。
「雪の日に休んだり、稲刈りの時期に休んだり…。ほんと、いい意味ゆるいんですよ」と笑う社長。雪が降ったから休み!?それってありなんですか??
「大雪で通勤困難な日に無理して出勤させるほうが危ないでしょ。事故にでもあったらそのほうが大変。なにより社員あっての会社ですから」そう言い切れる社長、カッコいいです!!

繁忙期でなければ残業は月に2時間ほど。そこにも社員を大切にする宮川社長の確固たる信念がありました。
社員のモチベーションをいかに保ち、効率よく仕事をしてもらうかが重要と社長は話します。
「長く働かせればいいというわけではありません。大きな機械もあって危険が伴う職場だからこそ、無理はだめ。疲れると安全面への注意が散漫になってしまうしね。仕事のクオリティに関係ないところは、自分で調整しながら仕事をやってくれればいいんです」

縁の下でものづくりをしっかりと支える板バネと同様に、社員の暮らしをしっかりと支える宮川バネ工業なら、あなたの理想の働き方がみつかるかもしれません。

(文・福本明子)
投稿日:2017年11月10日

 

宮川バネ工業株式会社の求人詳細

企業名 宮川バネ工業株式会社
募集職種 現場製造職、生産・品質管理職
雇用形態 正社員
応募資格 未経験可
求める人物像 1.ルールを遵守できる人
2.主体性を持ち改善や勉強に取り組める人
3.自己の成長を通じて周囲にも良い影響を与えられる人
勤務地 滋賀県東近江市園町31-1 マイカー通勤可
勤務時間 8:15~17:00(昼休憩12:00~13:00)
給与 22歳大卒 202,190円~
待遇 交通費支給・社会保険・雇用保険
資格取得に掛かる費用の補助制度、育児休暇・介護休暇・出産休暇
WEBサイト http://www.m-b-k.co.jp/
メッセージ バネを作る会社ですが、バネを作るための金型も自社内で製造しています。モノづくりのための道具まで自分たちで作る、モノづくりのコアな部分を手掛けるプロフェッショナルを育成する会社です。
選考プロセス お申し込みは弊社WEBサイトよりお願いいたします。
・筆記試験
・面接試験(筆記試験合格者にメールにて通知)
・内定

 

宮川バネ工業株式会社への応募について

1. ここで働いてみたい!という方

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