日本家屋で伝統的に使われている“かわら屋根”。
その役割は、雨や雪、火などから『家を守る』こと。
そして、その瓦の下にある暮らしを守るコトでもあります。
そんな瓦のスペシャリストとして、
滋賀県東近江市で創業された、屋根工事事業者「イノダ」。
瓦葺き工事から始まり、時代のニーズに柔軟に対応しながら、
現在では、屋根全般のプロフェッショナルとして、事業を営みます。
古い町並みが残る、東近江市五個荘の事務所にお邪魔し、
個性豊かな社員のみなさんからお話を伺ってきました。
いぶし銀社長が育て上げた、各分野のプロたちが勢揃い
株式会社イノダは、1950年創業。
60年以上の実績ある会社です。
見た目はちょっとコワモテ!?いえいえ、瓦のようないぶし銀の渋さを醸し出す、猪田正治社長にお話を伺いました。
「母の実家が湖東町で瓦製造をやっていたつながりで、父が、この地で創業したんです。私の生まれた頃の話なので創業時の話は分かりませんが、私は物心ついたときから瓦があったという感じでね」
その後、お父様にあたる先代の社長は、猪田社長が大学生の頃、作業中の事故で他界。しばらくはお母様と職人さんだけで会社を続けられていきます。
「会社の大黒柱が突然いなくなってしまって、それは大変な時期でしたよ。ただ、そんな時期でも職人もお客様も誰も離れていかなかった。おそらく、父の人望でしょうかね。当時は屋根といえば瓦が主流で仕事は忙しかったし、会社としては順調でしたよ」。
猪田社長は大学で建築を学び一級建築士の資格を取得。数年間、大手建設会社や設計事務所で現場監督の経験を積み、イノダへと戻ってきました。
「私が仕事を始めた頃はね、瓦屋の中に建築士の資格を持ったトコなんて誰もいなかった。これが自分の仕事を大きく助けてくれたね。大手の建設会社と仕事していると、現場監督から、職人はどうしても下に見られることがあるんですよ。そんなときに資格があると対等に話を聞いてもらえる。これは有難かった」。
資格を取得することで、仕事がスムーズに運ぶこともある。この経験から、イノダでは、会社として社員の資格取得を積極的に推進しているとのこと。現在では瓦技能士や建築士、建築施工管理技士など、多彩な資格を取得した各分野のプロフェッショナルも在籍し、図面をもとに施工するだけでなく、大きな物件の設計段階から関わることもあるそうです。
施行実績には滋賀の有名な建物がずらり!逆境をバネに、会社は新たなステージへ
そんな幅広い知識と確かな技術が信頼へとつながり、公共工事も多数手掛けてきました。
滋賀県内で言うと、この建物、わかりますか?
これは、国道307号線沿いにある「道の駅あいとうマーガレットステーション」。オレンジの屋根が特徴的ですが、これもイノダが屋根工事を施工したとのこと。
ほかにも、「五個荘小学校」「ヴォーリズ学園」「近江商人博物館」などが、イノダが施工実績だそうです。どの建物もステキな屋根! もしかしたら、滋賀県内の建物に特徴的なカタチが多いのは、滋賀にイノダのような屋根スペシャリストがいたから?なんて妄想もしてしまいます。
そんなイノダですが、会社の転機となったのは1995年の阪神淡路大震災でした。
「あの時の震災報道から、大きく世情が変わりましたね。瓦葺きの建物が崩壊する様子が何度も何度もテレビで放映され、“瓦屋根は地震に弱い”というイメージがついてしまった… 本当は瓦だけが悪いわけじゃなく、工法の問題など色々あるんですが、一度ついた負のイメージはなかなか払拭できないですから」
それ以降、瓦葺きの仕事は大きく減少していきます。当然、瓦のスペシャリストとして仕事をしていたイノダも、仕事が激減していきます。
「会社として生き残っていくためには、新しいことに取り組む必要があったんですわ」
そこで、猪田社長が取り組んだのが、新しい工法や商品を取り入れ、瓦以外の素材を使った屋根工事や板金工事も請け負うこと。
一級建築士としての知識も使い、瓦だけでない、屋根のスペシャリストとしての道を模索します。
結果的にはこの逆境が仕事の幅を広げ、会社は、新しいステージへと成長していくことになりました。現在は、猪田社長の二人の息子さんも一緒に働き、若い力で会社を盛り立ててます。
仕事を一緒に「現場監督」を募集
今回、イノダで募集されているのは、現場管理のお仕事。
現場管理、と言ってもなかなかイメージしにくい働き方。
そこで、実際にイノダで「現場監督」として働いている3人に来て頂きました。
写真右から順に、猪田社長の長男でもある洋(ひろし)さんと、猪田澄和さん、山本勝憲さんです。
取材中、冗談を言い合いながらずっと笑っているお三方。
きっと職場でも、毎日こんな感じなのかな?と、考えるだけで、楽しい雰囲気が伝わってきます。
「仕事内容は、現場をスムーズに進めるための調整役ですね。材料を手配したり、手順書や管理表を作成したりなど、実際の工事が始まるまでの段取りが主な仕事になります」と洋さん。
「それだけに、発注を間違えると大変なんですよ。前に一度、発注した瓦の色を間違ったことがありまして…。現場に職人もいて、さぁ、仕事を始めようと思ったら、“これ色が違うんですけど”と指摘され。冷や汗もんですよ(苦笑) 現場は止まるし、仕事にならない。それ以来、どんなことにおいても、確認はしつこいくらいにやっています」と猪田澄和さん。
山本勝憲さんは「前に、40メートルもの長さがある屋根材を、現場で採寸する仕事があったんですが、あのときは怖かったー。骨組みのだけの高所での作業も怖いんですが、採寸で数センチ違うだけで、仕入れた材料が無駄になってしまうプレッシャー。何度も何度も測って発注したのに、工事前夜は夢の中でも測ってました(笑)」。
もちろん仕事は真剣に取り組みつつも、気さくに軽口を叩きながら過ごせる職場。働くことをそれぞれが楽しんでいる、そんな魅力を感じました。
ちなみに、仕事にやりがいを尋ねると、みなさん同じ答えが返ってきました。
「それは、自分が関わった建物の前を通りかかったときですよ。大きな建築物の施工もしてるんで、遠くから見てもよく分かる。建物によっては、自分が死んだ後も残り続けるものだったりもしますから、そこは、胸を張って見つめてます」。
自分の人生よりも長い時を過ごす屋根。イノダなら、そのやりがいもひとしおでしょうね。
ではみなさんは、どんな方と一緒に働きたいですか?
「やっぱり、いいモノを残したいと思える人。そういう人なら、年齢・男女は問いません」。
「二重三重にチェックする慎重さと、粘り強さのある人が向いていると思います。人との関わりが必要不可欠な仕事でもあるので、場を和ませる力やノリの良さも必要かも」。
たしかに!
いいモノを残したい、人と楽しく働きたい、そんな人にはもってこいの職場かもしれないですね!
なお、休みが少ないイメージの建築業界ですが、イノダでは国が推奨する『働き方改革』にも積極的に取り組み、土曜日隔週、日・祝祭日は休みという勤務体系を実践しています。
「自分にも小さい子どもがいるんです。だから、休みはちゃんと取って家族と過ごす時間を大事にしたい。社員の皆さんにも同様に、仕事以外の時間を大切にしてほしいと思っています」と話す、洋さん。
洋さんは自転車が趣味で、ホビー枠ながら年間8~10戦ほど自転車のレースにも出場されているとか。そのレースの繋がりから京都・美山のサイクルステーションプロジェクト「CYCLE SEEDS」に、イノダは社会貢献活動として屋根工事を協力。趣味から講じて事業にも関係したそうです。
ワーク・ライフ・バランスという言葉の通り、ワークとライフを両立できる働き方は、これからもっと大切になりそうですね。
現場管理のパートナー“職人さん”の声も聞いてみました
現場管理の仕事の重要なパートナーは、現場で作業をしてくれる職人さんです。
イノダの社員職人さんにもお話を伺いました。写真左から順に、猪田社長の次男の尭(たかし)さん、川口晃輝さん、武内芳樹さんです。
尭さんはこの道13年のベテランです。「時代を超えて残ってきた日本建築ってやっぱり美しいじゃないですか。自分たちが施工した建物もこの先残っていくのかと思うとすごくやりがいを感じますよね」と話します。
その間で恥ずかしそうに笑う川口さんは入社3年目の若手のホープです。「職業訓練校で和瓦工事のDVDを見たときに、瓦職人さんの姿と技がすごくカッコよくて。自分もその道を目指そうと決めました」と少し照れくさそうに話してくれました。
武内さんも17年を迎えるベテランです。しかし「一人前には一生なれないかもしれない、そんな奥深い仕事です」と話します。夏の炎天下や冬の厳しい寒さなど過酷な状況下での作業もあり、体力的に大変ではありますが、それ以上にやりがいや面白さもあるそう。
職人目線で現場管理の仕事に必要なスタンスを聞いてみると
「職人のなかには強い言い方をする人や頑固な人もいるので、あまり考えこまず柔軟に対応ができる人のほうが向いているんじゃないかな」とのこと。また「失敗してもいいから、それを経験のひとつとして次に生かしていける勤勉さが必要だね」とアドバイスもいただきました。
個人宅のリフォームも、屋根のスペシャリストとして
滋賀県内だけでなく、様々な屋根に携わってきたイノダ。
大型の建築物だけでなく、個人宅の屋根改修や、リフォームの相談にも力を入れています。
「屋根工事って、どこに頼めばいいか分からないでしょ?とりあえずリフォーム会社に相談する人も多いと思うんですが、ほとんどの場合、実際に工事するのはその下請け業者です。それなら直接、ウチに相談してもらえた方が、専門的な目線で相談にのれますし、費用も中間マージンが不要になる分、安くなることの方が多いです」と猪田社長。
これも時代に合わせた新しい取り組みのひとつ。自宅の屋根でお困りごとがある場合は、ぜひイノダへ問い合わせてみてくださいね。【⇒イノダ 安心の屋根リフォーム相談事例】
和瓦は断熱性や耐久性が高く、1400年もの昔から日本に伝わる伝統的な屋根材です。
その伝統を継承しつつ、後世へと建物を残していく。
そのモチベーションの中で成長を続けるイノダで、あなたも一緒に高みを目指しませんか。
(文・福本明子)
投稿日: 2017年9月8日
株式会社イノダの求人詳細
法人名 | 株式会社イノダ |
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募集職種 | 屋根・外壁工事管理 |
雇用形態 | 正社員 |
応募資格 | 未経験可、経験者優遇 |
求める人物像 | 話すことが好きで、業務に真直ぐ向き合える人 |
勤務地 | 滋賀県東近江市五個荘簗瀬847番地の5 【⇒地図】 |
勤務時間 | 7:30~17:30 10時及び15時に30分の休憩 昼休憩1時間 |
給与 | 基本給200,000円+各種手当(資格手当、給食手当、時間外手当)、通勤費上限10,000円 (賞与あり1~2回/年、年1回昇給(会社の業績による))経験考慮のうえ、応相談。 |
待遇 | 社会保険・雇用保険・退職金制度あり |
WEBサイト | http://kawarashounin.shiga.jp/ |
メッセージ | 『戸建住宅から大規模建物まで』と幅広い工事を担当することが出来、日々変化をし続ける工事現場の管理業務は非常に魅力的です。未経験でもきちんと指導いたします。 当社と共に、『地図に自分の仕事の証』を一緒に残しましょう! |
選考プロセス | 1 )本サイト下部のエントリーボタンからエントリー 2 )履歴書・職務経歴書を指定メールアドレスまで送信してください。 3 )書類審査後、採用不採用に関わらず2週間以内にご連絡いたします。 4 )メールにて面談日時を相談の上、決定。 5 )一次面談を実施 6 )面談の結果を全ての方にお知らせ 7 )採用決定 |
株式会社イノダへの応募について
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