「パっとやっといて力」が生き抜く力? “ローカルキャリアあるある”で大喜利!(前編)

──はたらくってどういうことだろう。自分には一体何ができるのだろう。
想像してみてもわからない。それなら、“今、はたらいてみる”のはどうだろうか?

2019年9月9日〜13日の5日間、泊まり込み合宿で地域の課題を考え、はたらくに向き合う「Local Intern Camp 2019」が開催されます。
場所は滋賀県湖北地域。山と湖に囲まれたここには、あまり知られずとも全国に名を馳せる企業がたくさんあります。

そのプレイベントとして2019年6月29日(土)に行われた、「Now on LOCAL!~地方の可能性と、シアワセな就活を考える~@東京Tips」。その第1部では、人事の仕事をしている羽山さん、天野さんお2人のゲストに、はたらく・就活について話していただきました。

第2部では、いろいろなお題に対してパネリストに答えていただく「ローカルキャリア大喜利」を初開催。このきっかけは、いろあわせ代表の北川が「ローカルキャリア白書」を購入したところ、発刊メンバーであり北川と繋がりのあった宇野さんから連絡が来たこと。そこから、ローカルキャリア白書の宇野さん、森山さん、石井さんにも登壇いただくことになりました。
モデレーターを島根県の宇野さん。パネリストに石川県の森山さん、岩手県の石井さん、宮城県の羽山さん、滋賀県の北川。コメンテーターは東京生まれ東京育ちの天野さん。

ローカルと都会。あるもの、ないもの、つくるもの。
豪華なメンバーで盛り上がったローカルキャリア大喜利、前編と後編に分けてお届けします。
それでは、どうぞ。

<登壇者、モデレーター紹介>

第1問「地域にあって東京にはない◯◯」

宇野:はじめに、ローカルキャリア大喜利について。私たちが始めてもう2年くらいなんですけど。
地域で働くことが都落ちって言われたり、一度地域に行ったら帰って来れないんじゃないかって言われたりするんですけど、そうじゃないよ、というのをわかりやすく伝えたいと思って大喜利を始めました。
さっそく第1問、「地域にあって東京にはない◯◯」。ホワイトボードに書けたら挙手してください。

フリップボードを持つ宇野

石井:「歩くウニ」。

宇野:ええ?

石井:だから、新鮮だと歩くんですよ、ウニって。

一同:ああ~。

羽山:はい!「タダでもらえる」。うちの旦那、やたらウニとか牡蠣とか、めっちゃもらってくるんですよ。食べきれないからやめてってくらい。

北川:それはあるわ。

森山:はい、「歩くサザエ」。サザエも歩くんですよ。

一同:(笑)

森山:もうすぐ素潜りの時期で潜りに行くんですけど。見ていて「あ、あった」と思って息を吸うと、歩いてもういないの。
ちなみに、そういうのは僕の住んでいるとこから車で10分くらいでその環境に行けるので、すごく楽しい。

第2問「地域で身につく◯◯力」

宇野:それでは次に、「地域で身につく◯◯力」。

森山:これね、意外だと思いますよ。「語学力」。
僕、ちょっと英語できます、日本語できます、さらに七尾弁ができます。さらに言うと、七尾弁の中でもおじいちゃんと話すとき、おばちゃんと話すとき、行政マンと話すとき、中小企業の社長としゃべるとき。
いろいろあるんですけど、この語学力がめちゃめちゃ活きますし、身につく。

石井:はい、「あやまる力」。
あやまるから始まるんですよ。あやまれるから失敗できる。

北川:これも大事ですね。

森山:「人脈構築力」。これ、上に「東京の」と付けたほうがいいかもしれない。

羽山:あるある。

森山:やっぱりそうですよね。東京で生きるよりも東京の人との人脈が繋がる。

羽山:めちゃくちゃ繋がるね。

森山:ローカルにいることによって、目立つから。すると、そういう人たちと出会いが増える。数珠繋ぎのようになるんですよ。
今日も我々、朝に打ち合わせしてたら、初めましてなんだけども話の中で知っている人が出てきたり。そんな感じですね。

北川:どれだけ日本せまいねん、と思うよ。
じゃあ次、「パッとやっといて力」。

地域で必要とされる「パッとやっといて力」とは?

北川:やっぱね、ちゃんとしてるんですよ、東京の人たちは。ちゃんと順序立てて予定してくれて、これをいつまでにこうやってくださいっていうオーダーで仕事が来るんですけど。
そんなことを計画してくれない、地元の経営者のみなさんたち。滋賀県だと「あんじょようやっといて」、ええようにやっといてって言われるんですよ。ええように、ってなんなん?って(笑)

森山:自分もまったく同じことについてですね。それ、「どたんば力」だと思います。
石川弁で言うと「いんがにしといて」って言うんですよ。最終的におさまっていればオッケーみたいな。
でもこれは意外と都市部にも通ずるんじゃないかなあ、と。

北川:そうそう、これはたぶん東京に直すと「プロジェクトマネジメント力」になる。

森山:おおーなるほど。急に格好よくなった。

石井:こういう表現もあると思う。「それでもなんとかする力」。

一同:ああー。

森山:それでも、の中にだいぶ連なっている感じですね。

北川:でもね、人生の幸せで考えると、言われてないからできませんより、とりあえずパッとやっといてをできる力の方が、生きる力になりそうな気がするんですよ。

天野:あの、ここでちょっと話してもいいですか?
みなさんの大喜利に対して、意味付けをしてくれ、ということなので(笑)

一同:(笑)

天野:なんか、東京だと仕組み化とか、人が多いからまずは機能を作って、入り口のところで型を作ろうとしている気がします。
一方で地方は、なんとなくみんなが寄せ合いながらゴールに行く、という登り方の違いかな、と。

北川:意味付けしてる!

天野:東京は人が多い、機能が多い、ならではの。

羽山:しかも東京で身につく力、という質問にもちゃんと答えてるし。

森山:すばらしい。名コメンテーター。

天野:ありがとうございます(笑)

羽山:「つながる力」もあるよね。

宇野:たぶん、地域内でつながる力もそうだし、さっきの東京と地域というのもあるし、地域同士のつながる力も磨かれる気がします。
同じ同志が地域にいなかったりすると、他地域で同じようにもがいている人とつながっていく。

北川:たしかに。僕、秋田で同じようなことをやってるやつと友達で、そいつとめっちゃやりとりしてるもん。企業さんにこんなこと言われた、ああー、わかるー!って。

地方にとどまらないつながりの正体

石井:それね、これでもあるんですよ。「出る杭ネットワーク」。
地域で若干浮きつつも、自分のやりたいことを追求した結果、地域もよくなるっていう、地域の成長と自分の変容が結びついてる人たちなんです。
でも、出る杭は打たれるっていうじゃないですか。あれ、僕は半分イエスで半分ノーだと思ってるんです。
たしかに、7年前に初めて被災地に行って、全然友達もいない中で取り組みをしようとすると、邪魔されたり悪口を言われたりするんです。
僕、最初付けられたあだ名がアジェンダ君だったんですよ。

北川:アジェンダ君!?めっちゃおもろいですね!とりあえずアジェンダ作ってきました、って。

石井:前の仕事がこっち(東京)で経営コンサルだったんで。

北川:でも、半分プラスで半分マイナスの、プラスの方は?

石井:ちゃんと出れば大丈夫なんです。ちゃんと出るかどうかは、やりきるかどうか。
で、やりきれるかどうかで一番重要なのは仲間がいること。だから僕らは「出る杭ネットワーク」を大事にしている、って趣旨です。

北川:なるほどね。

石井:いちおう、いいこと言おうとしてたんですよ(笑)

第3問「とはいえ、地域で失った◯◯」

宇野:それでは次です。みなさん、地域でこんな力がついたというのを話してもらいましたが、次はこれです。「とはいえ、地域で失った◯◯」。

石井:僕ね、東京から地方に行って半分になりましたね、「年収」。以上です。

森山:そこ、フォローないの?今は?

石井:来た時よりかは稼いでる。僕が東京で仕事してたときよりは稼いでる。でも東京で稼いでたらもっと稼いでるとは思う。

天野:年収は半分で、幸福度はどうなんでしょう?

石井:いや、高い、と思いますよ。最初は、あんまりよくわからず、とりあえず復興応援しようかなという感じで行ってしまったもんですから。
だから今話していることも、あとあと意味付けてたことなんです。当初の幸福度はどうかって言われたら、覚えてないですね。

森山:それだけがむしゃらにやってたんだね。

石井:やってましたね。

森山:はい、「やせた体」。

北川:失ったなあ、それは。

森山:僕、Uターンした10年前当時80キロだったんですけど、今101キロです。プラス21キロ。
一番多いとき、105までいったんですけど、アキレス腱切ったら10キロ痩せました。以上です(笑)

羽山:「電車の吊り広告からの情報」。受動的な情報が入ってこないんですよ。

北川:取りにいかなあかんってことだね。

羽山:そう。東京にいると、電車に乗ってるだけで勝手に情報が入って来るけど、ローカルってまったくないから。車だし。
取りに行かないと情報が入ってこない。

北川:はい、「一喜一憂」。なんかね、比較するんですよ、一喜一憂するっていうことは。
比較という選択肢から、ある種降りた、俺はここでやると決めたっていう状態になると、他の人がなんかやっていることに対して、やってはるよね、ぐらいの感覚になって。
良くも悪くも開き直るようになった。大学の時の友達とか、日経新聞に載ったとかって聞くと、めっちゃへこんでたんですよ、大阪で。
今は全く思わんくなった。ふーん、がんばっとるなあ、ぐらい。

羽山:腹をくくったから?

北川:そうそう、捨てたというか。これ以外のものはいい、と優先順位を決めたときに人は強くなるなと実感しました。
僕の中ではすごく自己肯定感が上がりましたね。

後編に続きます】

(文・撮影:長谷川綾香)

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お知らせ

ただ今、2019年9月9日〜13日に開催する「Local Intern Camp 2019」の参加者募集受付中です。
やりたいことは決まっていないけれど、自分に何ができるか探してみたい。都会と地域、選択肢は両方あるのかもしれない。
このインターンシップで、これからのはたらき方、生き方に繋がるものが見つかるかもしれません。

詳しい内容はこちらです。
http://local-intern.jp/

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